メールの誤送信したときのお詫び対応、まずすべきこととは
仕事で取引先に送るはずのメールを別の取引先に送ってしまった、社内の機密情報を含むメールを誤って顧客に送ってしまった、顧客の個人情報を含むメールを無関係な会社の宛先に送ってしまった。
内容によっては、もしかしたらクビになるのではないか、というようなぞっとするような状況ですが、こんな時どうすれば良いのでしょうか。
現代はビジネスシーンにおいても個人のライフシーンにおいても、文書のやり取りが紙ではなく電子メールでやり取りされることが非常に多いです。
発信してしまった電子メールは相手が受け取ってしまえばこちらで行える削除方法はありません。
相手に削除してもらう以外にないのです。
メールの内容によっては重大な問題につながることもあります。
メールを誤送信してしまった時にまずするべきことを紹介していきます。
メールを誤送信したときにまず行うべきこと
メールの内容に関わらず、送るべき相手を間違えてメールを送ってしまったら、まずはお詫びの連絡をすぐにしましょう。
誤って宛先のccやbccに入れてしまった場合も同様です。
可能であれば電話でお詫びを伝える方が良いです。
すぐに連絡を行えば相手がメールを未開封である場合も多く、お詫びとともにメールを削除してもらうようお願いすることが出来るからです。
また相手への礼儀という面でもしっかりと電話でお詫びを伝えた方が相手からの印象も悪くなりにくいです。
その後改めてお詫びのメールを送っておきましょう。
職場でのメールの誤送信であれば、同時にすぐに上司に報告をしましょう。
社内の機密情報の漏洩により自分では思ってもいないような損害を会社に与えてしまったり、会社が社会的信用を失う結果になったりすることも考えられます。
個人情報の漏洩については日々ニュース等でも見る様に、大きな問題として取り上げられ、会社の社会的信用の低下や業務の一部停止処分、損害賠償の支払い等、大きな損害を会社に与ええかねません。
また個人情報を扱う業者には、情報漏洩が発生した際には個人情報保護委員会に対する報告義務や対応、改善内容の報告が法律で定められています。
自身で判断せずに、必ず早急に上司に判断を仰ぎましょう。
対応完了後には必ず再発防止のための対策を行いましょう。
なぜ誤送信をしてしまったのか原因を分析し、再発防止に努めることが肝心です。
メール誤送信に対するお詫びの例文
まず電話でしっかりとお詫びと誤送信したメールの削除をお願いした上で、改めてお詫びのメールを送信しましょう。
社外の相手の場合、その後の関係性や取引内容にも影響を及ぼす場合があるため迅速かつ丁寧な対応が必要です。
場面に応じたメールによるお詫びの文例を紹介します。
社外の取引先相手
①宛先を間違えた場合
(件名)
メール誤送信のお詫び
(本文)
株式会社●●
○○営業部 〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社◆◆の◇◇です。
先ほどお送りいたしました以下のメールにつきまして、私の確認不足により宛先を誤ってお送りしてしまいました。
誠に申し訳ございません。
--------------------
20xx/x/x/ 10:20
送信者:◇◇
件名:〇〇〇の商品企画について
添付ファイル有り
--------------------
甚だ勝手なお願いではございますが、上記メールにつきましては、開封前に添付ファイルも併せて削除頂けますと幸いでございます。
今後同様のミスを起こさぬよう、メール送信前の宛先及び内容の確認を一層厳しく行ってまいります。
何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
この度は大変ご迷惑をお掛けいたしまして誠に申し訳ございません。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
◇◇(署名)
②内容間違いの場合
(件名)
先ほどのメール内容の誤りについてのお詫び
(本文)
株式会社●●
○○システム部 〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社◆◆の◇◇です。
先ほどお送りいたしました以下のメールにつきまして、私の確認不足によりメール内容を誤ってお送りしてしまいました。
誠に申し訳ございません。
--------------------
20xx/xx/x/ 12:15
送信者:◇◇
件名:〇〇プロジェクトの件
添付ファイル有り
--------------------
甚だ勝手なお願いではございますが、上記メールにつきましては、開封前に添付ファイルも併せて削除頂けますと幸いでございます。
この度は大変ご迷惑をお掛けいたしまして誠に申し訳ございません。
今後同様のミスを起こさぬよう、メール送信前の宛先及び内容の確認を一層厳しく行ってまいります。
何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
◇◇(署名)
③添付ファイルの間違いの場合
(件名)
先ほどお送りしたメールの添付ファイル誤りについてのお詫び
(本文)
株式会社●●
○○経理部 〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社◆◆の◇◇です。
先ほどお送りいたしました以下のメールにつきまして、私の確認不足により誤ったファイルを添付しお送りしてしまいました。
誠に申し訳ございません。
--------------------
20xx/x/xx/ 14:10
送信者:◇◇
件名:〇〇〇の見積書の件
添付ファイル有り
ファイル名:「●●」
--------------------
正しいファイルはこちらのメールに添付している「〇〇」です。
甚だ勝手なお願いではございますが、上記の添付ファイル「●●」につきましては削除頂けますようお願い申し上げます。
この度は私の確認ミスにより大変ご迷惑をお掛けしてしまい誠に申し訳ございません。
今後同様のミスを起こさぬよう、メール送信前の宛先及び内容の確認を一層厳しく行ってまいります。
何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
この度は大変ご迷惑をお掛けいたしまして誠に申し訳ございません。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
④作成途中で送信してしまった場合
(件名)
先ほどお送りしたメール内容の誤りについてのお詫び
(本文)
株式会社●●
○○システム部 〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社◆◆の◇◇です。
先ほどお送りいたしました以下のメールにつきまして、私の確認不足により作成途中の内容のメールをお送りしてしまいました。
誠に申し訳ございません。
--------------------
20xx/xx/xx/ 9:55
送信者:◇◇
件名:〇〇〇の導入スケジュールの件
添付ファイル有り
--------------------
甚だ勝手なお願いではございますが、上記メールにつきましては、開封前に添付ファイルも併せて削除頂けますと幸いでございます。
改めて正しいメールをお送りさせて頂きます。
この度は大変ご迷惑をお掛けいたしまして誠に申し訳ございません。
今後同様のミスを起こさぬよう、メール送信前の内容確認を一層厳しく行ってまいります。
何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
◇◇(署名)
⑤内容を一部誤ってしまった場合
(件名)
先ほどお送りしたメール内容の誤りについてのお詫び
(本文)
株式会社●●
○○第一営業部 〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社◆◆の◇◇です。
先ほどお送りいたしました以下のメールにつきまして、私の確認不足により一部内容の誤りがございました。
誠に申し訳ございません。
お詫びして訂正いたします。
--------------------
20xx/xx/xx/ 9:55
送信者:◇◇
件名:〇〇〇の打合せの件
--------------------
訂正箇所:本文3行目
誤:「2月15日」→正「3月15日」
この度は大変ご迷惑をお掛けいたしまして誠に申し訳ございません。
今後同様のミスを起こさぬよう、メール送信前の内容確認を一層厳しく行ってまいります。
何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
◇◇(署名)
⑥その他のミス、漢字間違い、内容の重複等
その他に、担当者の名前の間違い、漢字の間違い、同じメールを重複して送ってしまった場合など、送信相手や内容自体に誤りはなくても、相手に対して失礼にあたるのでお詫びの電話とメールを送るのが望ましいです。
そのままにしておくと相手から不信感を持たれることにもつながりかねませんし、社会人としての礼儀です。
プライベートでもその後の円滑な関係のために、謝罪をしておいた方が良いですね。
社内の別部署の相手
社内の場合は、社外と比べてさほど重大な問題になることは少ないですが、それでも他部署へのメール誤送信は迷惑をかけることになるので社外相手と同様に出来ればまず電話で、併せてメールでも丁寧なお詫びをしましょう。
また内容によっては他部署にあまり知らせるべきではないこともあります。
念のため上司に報告しましょう。
顧客相手
大切なお客様宛に誤ったメールを送ってしまった場合には、会社やあなたに対する信用は損なわれますし、今後の取引や関係性にもかかわります。
すぐにお詫びの対応をしましょう。
可能であればまずはすぐに電話でお詫びとメール削除のお願いをし、相手が電話に出た場合は改めてお詫びのメールを送りましょう。
相手が電話に出なかった場合はメールでお詫びと誤送信したメールの削除のお願いをしましょう。
英語でのお詫び
英語でのお詫びの例文です。
「あなたに誤ったメールを送ってしまいました。お手数ですが削除お願いできますでしょうか」という意味です。
I accidentally sent my e-mail to the wrong person. I am sorry for the trouble, but could you please delete it?
個人の知らない人にメール誤送信してしまった場合
アドレスの入力を間違えてメール送信してしまった時、宛先エラーが返ってきたときにはそのメールは誰にも届いていません。
もし、エラーメッセージが返ってこなかった場合は、知らない人にメールを送ってしまっている可能性があります。
その相手がメールを開いているかどうかまでは分かりませんが、少なくともメールサーバーまではメールが届いています。
ですが自分が誤って知らない人にメールを送ってしまったとしてもその相手がわざわざ返信を送ってくることはほぼありません。
詐欺や不特定の個人へのサイト誘導等の目的で不審なメールに警戒している人が多いので、ほとんどの人が知らないアドレスから突然メールが来たときは警戒し無視することがほとんどであるためです。
念のため、簡単にお詫びのメールを送っておきましょう。
例文を紹介します。
(件名)
メール誤送信の件
(本文)
20xx/xx/xx hh:mm
上記日時にお送りしたメールですが、メールアドレスを1文字誤ってお送りしてしまいました。
ご迷惑をおかけし申し訳ございません。
メールの内容につきましてはご放念ください。
失礼いたします。
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あまり長くても更に相手に不快感を与えることになりかねないので、上記程度で良いかと思います。
放念とは気にしない、気に留めないという意味です。
誤送信メールを受け取った場合の対応
ビジネスシーンにおいて、明らかに宛先を間違えて送られてきたメールをあなたが受信した場合、その相手から誤送信であるという連絡が来なかった際には一報入れてあげましょう。
他愛のない内容であればさほど気にする必要は無いかもしれませんが、送信者が本来の送るべき相手に送れていない可能性が高いためです。
また、削除の依頼が来た際には、必ず削除し、削除したことを伝えて相手を安心させてあげましょう。
ですがプライベートにおいては知らないアドレスからのメールを受信した際には無視しておくのがおすすめです。
詐欺や悪質なサイトへの誘導や、違法使用されているメールアドレスの試し利用等の可能性があるからです。
また、もしも相手が悪質なサイト運営者や詐欺グループのサイトであれば、一度でもメールを返信するとあなたのアドレスが登録されてそれ以降迷惑メールが増える可能性があります。
メール内容が緊急性の高いものや事件性のありそうなもので気になってしまうこともあるかもしれませんが、悪質な相手であればメール受信者のそのような心理を突いてきています。
十分注意しましょう。
事件性がありそうで気になるのであれば警察や消防に相談しましょう。
よくある就活時のメール誤送信への対応
現在は多くの場合、就職生は企業の採用担当者とメールでやり取りしています。
あるアンケート結果によると、企業の採用担当者が就活生からの間違いメールを受け取ったことがある割合は5~6%程だそうです。
内容は宛名の企業名や部署名が違う、採用担当者の名前の漢字を間違えている、そもそも内容が違っている、など様々です。
ほとんどの採用担当者はそれによって合否を判断することはそれほどない、と答えてはいるもののやはり印象としては悪くなってしまいます。
企業名や個人名の漢字のミスはほぼ相手から指摘されることはないため、送った後も自身で気が付かないことが多いと思いますが、企業名や部署名、担当者名や、メールの内容そのものを誤っている場合は、自身が送ったメールを見返せば気が付くことが出来ます。
大事な就活の場面でメールの誤送信に気が付いた時には、目の前が真っ暗になるかもしれませんが、悔やんでも仕方がありません。1秒でも早くお詫びのメールを送りましょう。
採用担当側でも、メールの誤送信があっても、お詫びと訂正についてのメールをすぐに送信してくる就職希望者に対しては、礼儀をわきまえている、ミスをした後の対応が出来る、と逆に良い印象を受けることもあるそうです。
もちろんミスなどないに越したことはありませんので、メール送信時は、宛名、件名、内容をしっかりと確認した上で送信ボタンを押しましょう。
メール誤送信を防止するための3ステップ
メール誤送信で最も多いのは、cc、bccを含めた宛先間違い、添付ファイルの間違いまたは漏れ、本文の内容、等の人為的ミス(ヒューマンエラー)です。
これらを防ぐために気を付けるべきことを紹介します。
①メール送信前に「宛先、cc、bcc」「件名」「本文」を声に出して読んでみる。
オフィスなどであまり大きな声は出せないかもしれませんが、小さな声でも一度宛先から本文全てを自身の声に出して読んでみましょう。
声に出して読むことで内容や宛先の誤りに気付きやすくなります。
②上司や同僚に確認してもらう。
同じプロジェクトで動いているチームの仲間や上司に内容を確認してもらうのもありです。
メールを送るときは、あなたはその会社やチームの代表として発信しているので、上司や仲間に見てもらうことでケアレスミスもしにくくなります。
③添付ファイルの内容が適切かチェックする。
宛先、件名、内容を確認したら、正しいファイルが添付されているか確認しましょう。
添付ファイルを編集した後保存する前の状態で添付してしまったというミスはよく聞きます。
添付するファイルは最新の状態で保存し、閉じた状態で添付しましょう。
メール誤送信防止設定を使う対策
メールソフトのoutlookやGmailではメールの誤送信を防ぐ機能があります。
メール誤送信防止設定をあらかじめ設定をしておき、誤送信のリスクを出来るだけ少なくしておきましょう。
また、よく使う内容はあらかじめテンプレートを作っておくと誤字脱字の防止にもなりますし、時間短縮にもなります。
その分内容のチェックを落ち着いて行うことも出来ます。
Outlookの設定
メニューの「ファイル」から「オプション」をクリックします。
①「メール」の中にある「送信前にスペルチェックを実行する」にチェックを入れます。
②「詳細設定」の中にある「接続したら直ちに送信する」のチェックを外します。
この2つを行っておけばメール送信前のスペルチェックと、送信箱に一旦保存されたメールを再度送受信の操作を行うことになるため、自身で二重のチェックが出来ます。
Gmailでの設定
Gmailではメール送信後に最大30秒後までなら送信取消が行えます。
設定方法は以下の通りです。
Gmail画面の右端にある歯車マークから設定をクリックします。
①「全般」の中の「送信取り消し」で、「送信取り消し機能を有効にする」にチェックを入れ、取り消せる時間を設定します。
②Gmailには「safety for Gmail」という拡張機能があります。
この機能を使用すると宛先のドメインとcc、bccのドメインが異なる場合に警告が表示されます。
宛先、cc、bccのアドレスを入れ替えることも可能です。
③拡張機能の「Gmail Address Checker」を利用する。
この機能を利用すると、「送信」ボタンが「確認」ボタンに変わります。
また宛先、cc、bcc、Subject、Attached全てのチェックを入力後に送信が出来る様になります。
誤って送信してしまうのを防ぐのに役立ちます。
その他のメールソフトでの設定
上記の2つのメールソフト以外のフリーソフトでも誤送信防止のための設定ができるソフトがあります。
誤ってメールを送って後悔する前に一度自身の使用しているメールソフトに誤送信防止設定がないか確認してみましょう。
誤送信のリスク
メール誤送信はあなたにとっても会社にとっても内容によっては重大な問題となる可能性があります。
まずは相手にお詫びの電話連絡とメール送信をし、丁寧にお詫びをしましょう。
同時に上司や社内での対応部署に相談し、その後の対応方法の指示を仰ぎましょう。
プライベートにおいてもメールの誤送信はあなたにとっても受け取った相手にとっても不利益であったり、気分を害してしまったりするものです。
出来るだけ迅速かつ丁寧な対応を心がけ、相手への信用を損なうことのないように努めることが重要です。